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2002年 5月29日 発行 第120号
FURUTANI PATENT OFFICE
NEWS LETTER 120
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■タイトル
均等論と禁反言に関する米国最高裁判決(フェスト最高裁判決)
■概要
米国最高裁は、5月28日、注目されていたフェスト事件の判決を
出した。CAFCの判決を破棄し、「出願手続中の補正により、一
律に均等論の適用が排除される」という考え方は否定された。最高
裁は、CAFCに対し、本事件を差し戻した。
■内容
本事件は、Festo社の米国特許を、燒結金属工業が侵害したとして
起こされていた事件である。地裁では、均等論が適用され、侵害で
あるとの判決が出された。控訴審であるCAFCでは、問題となっ
たクレームが出願手続において補正されていたことから、均等論の
適用がないとして、非侵害である旨の結論が出された。また、CA
FCは、この判決において、出願手続中の補正により禁反言が働き、
一律に均等論の適用が排除されるとの判断を示した。
今回の最高裁の判決は、このCAFCの判断を否定したものである。
最高裁は、次のように判示した。
1.発明の実質的な保護のため、クレームの範囲は、文言だけで判
断すべきではなく、その均等の範囲を含めて判断すべきである。
2.クレーム解釈においては、特許庁に対して行った手続が考慮さ
れる(包袋禁反言)。
3.包袋禁反言は、先行技術を回避するために行った限縮補正だけ
でなく、記載不備(112条)を正すために行った限縮補正にも適
用されうる。
4.包袋禁反言は、限縮された構成要素に対して、一律に、均等論
の適用を排除するものではない。
限縮補正があった場合であっても、均等範囲に権利行使が認められ
るかどうかは、事案に応じて、フレキシブルな判断がなされること
になる。出願人は、均等部分について、権利を放棄したのではない
と言うことを主張する必要がある、と最高裁は述べている。
なお、本判決は、判事の全員一致によるよものである。
判決の要約と全文は、以下にて入手可能。
http://www.ipjur.com/data/festo.pdf
(カナダ在住の弁理士和田郁子氏より最高裁判決が出たことを教え
ていただきました。ありがとうございました。)
以上
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FURUTANI PATENT OFFICE NEWS LETTER #120 May 29, 2002
本記事は,古谷国際特許事務所の許可を得て,
「FURUTANI PATENT OFFICE NEWS LETTER #120 May 29, 2002」
を転載したものです。
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