二年目の春学期は受講した授業の数が少ないため、以前ほどの大変さは
ありませんでした。
やはり、1年生の春学期の方が授業、レポート課題、グループワークの
負担が多く、その上必須授業ばかりなので、精神的にも肉体的にも辛い
ところです。
先日、早稲田へ向かう地下鉄東西線の電車の中で知り合いの1年生が
非常に疲れた様子で寝ているのを見かけました。起すのも気の毒なので、
そのままにしておいたのですが、目的の駅で眠そうに眼をこすりこすり起き、
「あ、片岡さん。。。」とばつ悪そうにしてました。まあ、典型的な社会人MOT
学生(1年生春学期)の姿はこんな感じです。
「学生」と言えば、こないだ久しぶりに「試験」を受けました(ただ、早稲田
MOTの授業では、試験よりもレポートを課す授業の方が多いです)。
科目は知的財産法Ⅰでした(^^ゞ。
試験の模様をマンガ「東京大学物語」の村上風に実況すると、・・・
(問題用紙、解答用紙が配布される)
「ふふふっ、はぐれ系といえども、オレは知財を生業とする身、「A」で通っ
て当然だな!」
ペラリ(問題用紙をめくる)
「おおーー、均等論!ド典型!もらったーーーーッ!!!!(0.01秒)」
「あの5要件だ。よし、まだ覚えてる、覚えてる。(0.01秒)」
「1~3が原告の主張立証事項で、4~5が被告の抗弁事由だったな。(0.01秒)」
「おっと、いきなり5要件書き始めるところだった。まず、70条の説明からは
じめるべきだ。(0.01秒)」
「原則→70条、その修正として→均等論を認める理由、それを制限する理由、
そのバランスを考慮して一定の要件のもと、均等論を認めた。その要件とは、…
で行こう。(0.01秒)」
…と、あっという間の90分でした(他にも何問かありました)。
早稲田MOTに入学してから、一度も試験で「できた!」と思ったことありません
でしたが、さすがに今回は「できた!」と思えました。
ちなみに、この授業の先生は、相澤英孝教授でした。
相澤先生はSOFTICの特許委員会の委員長なのですが、実は私も委員の
末席を汚しています。万一、私がこの「知的財産法Ⅰ」の単位を落とし、それが
相澤先生の知るところになると、以後、委員会で顔を合わせるのは非常に気ま
ずいと思い、授業ではできるだけ目立たないように座っていました(お陰で気付
かれていません)。
試験の出来からして、少なくとも落ちることはないと思うので、次回の委員会
では受講生であったことをカミングアウトしようと思います。
いやー、鈴木さんは「発表してきました」なのに、お前は「観てきました」かよっていう突っ込みは甘受しましょう。ハイ、(ただ)観てきました(^^ゞ。
土曜日は早稲田MOTの授業があった為、鈴木さんの発表含め観ることができませんでした。残念。。。
日曜日に、ちらっといくつかの発表を観て、その後、予稿集を読んでみて感じたのは、「産学連携」をテーマにしたものが多いことです。(*)
(そういえば、パテントサロンにも新コーナーできましたね)
一方、鈴木さんも指摘されていますが、MOT的な視点から知財を扱ったものは数は少なかったように思います。書店では「MOT」と名の付く書籍を目にすることは最近やたら多いですが、まだまだ流行りモノの域を脱してないんでしょうか。
そんなこんなで、私の知財学会の当日は、幾つかの発表を観て、誰もいない学生食堂で一人ダイエットコーラを飲み、「来年は発表しよう」と思いながら、緑が美しい青山学院大学のキャンパスを後にしたのでした。
では、また。
(*)
早稲田大学にも、産学連携に関連する組織として、産学官研究推進センター【承認TLO】 産学連携室(理工学総合研究センター) 、インキュベーション推進室、知的財産本部などがあるようですが、残念ながらこれらとMOTプログラムとのコラボレーションは今のところありません。
産学連携に興味のある学生にとっては最良のOJTになり、これら産学連携に関する組織にとっても社会人学生の専門性を活かせば互いにメリットがあると思うのですが、そこまで至ってないようです。
早稲田MOTでの授業が、これまで私が経験してきた大学での授業と大きく異なる点の一つは、「マルチファカルティ」の授業が多い点です。
マルチファカルティの授業とは、一つの授業を複数の講師が代わる代わる担当する形式の授業で、その講師の多くは、大学教員ではなく、実務家です。
先日、ある授業の実務家講師として、NTTドコモiモード企画部長の夏野剛氏にご講演して頂きました(去年はNTTドコモiモード事業本部長の榎啓一氏にご講演して頂きました)。
自称「業界一のぶっちゃけ男」の夏野氏だけあり、軽快な語り口で最近の「おサイフケータイ」含め、とても興味深い話を聞くことができました(内容については、夏野氏に「ないしょだよ」と言われたので、ご勘弁ください)。
やはり生の当事者の話を聞くのは面白いもので、それまでの講義や書籍で学んでいた、オープン化、デファクト、Win-Winモデル、アライアンス、ネットワーク外部性、コンテンツなどのキーワードが実感を伴って理解できた気がしました。
一方、「で、知財的にはどうよ?」という点については、未だにすっきりしません。例えば、NTTドコモがⅰモードコンテンツの記述言語としてWML(WAP)ではなく、標準的なHTMLを採用すると決めた際、あるいは、より広範なビジネス展開が考えられる「おサイフケータイ」事業を開始する際、自分がドコモの知財部員であったとして、なにをしただろうか?単に、新たに開発した技術や考え得る事業モデルをビジネス・メソッド「らしく」仕立てて出願だけしてればいい?いや、そもそも、この手の事業に知財ってお呼びでない?問題特許の洗い出しだけでOK?
ただ、夏野氏の話を聞いて、なるほど情報通信業界ではお金儲けの方法が大きく変わったんだから、知財部の仕事もそれに対応しなきゃいけないんじゃないのってことだけは、強く感じました。
いつもながら、知財実務への落とし込みは悩むところです。
夏野氏の著書、iモード・ストラテジー、ア・ラ・iモード、興味がある方は読んでみてください。いずれも数年前に出版されたものですが、iモード事業の立ち上げから成功に至るプロセスが夏野氏なりの視点で説明されています。
では、また。
ご無沙汰をしています。修士論文の準備やら、仕事の都合やらで全然時間が
取れず、この徒然日記も更新を怠ってしまいました。期待されていた方がいま
したら、申し訳なかったです。
そんな忙しい毎日ですが、去年に引き続き、日本知財学会の
学術研究発表会で発表してきました。題名は、「企業のための定量的
知的財産戦略の提案(その2)」です。ちょっと偉そうな題名ですが、要は、
去年の発表で、事業ポートフォリオと知財戦略との間に一定の関係が認め
られることを言いましたので、今年はその発展形についてお話ししました。
去年の研究発表では、あまりに突拍子もないことを言ったと思われたのか、
ほとんど質問もなく寂しい思いをしましたが、今年は会場の皆さんから
活発な質問があり、私個人としては進歩があったと思っています。
ご存じの方も多いと思いますが、日本知財学会に参加され、また、発表されて
いる方のバックグラウンドは非常に多様です。実際に産学連携の活動をされ
ている方、産学連携はいかにあるべきかを研究されている方、知的財産法の
研究をされている方、企業で実際に知的財産管理を行っている方…それぞれ
にテーマに関するアプローチが相当違いますので、予稿集に書いてある内容
もそうですが、それ以上に方法論が随分違うので見聞きしていても面白いで
す。
ただ、MOTあるいは経営戦略の方法論を使った発表はまだまだ少なかった
です。この点は、自分も頑張って引き続き研究及び発表をしなければ…と
身の引き締まる思いがしました。
それにしても、土曜日は授業があったので、授業の途中抜け出して発表をし、
発表が終わったらとんぼ返りで授業に出、さらに、学会の懇親会に行くために
再度学会会場に行く、というものすごい生活でした。当然、その後はパテント
サロンのオープンハウスに(^^)。久しぶりに、片岡さんにも会えました。