MOT徒然日記を書いているせいで、私が早稲田MOTに通っていることを知った人からたまに「大学でなにやっているの?」と聞かれることがある。それはたいがい、飲み会の席や、なんかの勉強会の後のたわいもない会話の一部として「チラッ」と聞かれるのだが、これを一言で説明するのは難しい。そこで、つい「いや、まあ、いろいろと。。。」とごまかしてしまうことが多い。
実際、授業科目は多岐にわたっており、これらを上位概念化して「これこれ」というのは、難しい。例えば、これまでの受講した科目は、マネジメントゲーム、統計、組織と人材、アントレプレヌールシップ、マーケティング、技術と経営、会計と管理、経営と戦略、情報とシステム思考、新商品開発、生産経営システム設計、プロダクション・アンド・オペレーションズ・マネジメント、生産における投資意思決定、先端技術政策とマネジメント、知識経営のマネジメント、グローバル・テクノロジ・マネジメント、バイオマネジメント、リスクマネジメントである。
またゼミで扱った書籍は、イノベーションダイナミクス、イノベーションのジレンマ、成功する新製品開発、中央研究所の時代の終焉、競争戦略のダイナミクスなどである。
このような早稲田MOTでの一年で確かに今まで知らなかった知識を得た感触はあるが、さて、これから、事業戦略、研究開発戦略と知財戦略との関係を解きほぐすこと、その糸口を見つけること、これが二年目、あるいは今後の大きな課題となる。
大学院に通うことが決まってから、密かに楽しみにしていたことがある。「学生食堂」である。普段は特許法律事務所に勤めているので、所内に社員食堂はなく、また場所柄(西新橋)積極的に行ってみたい食事処も少なく、昼食のレパートリーが乏しいのだ。私のイメージの中での理想の「学生食堂」は、小奇麗でゆったりとしたカフェテリア方式で、惣菜が充実しており、バランスのとれた食事がリーズナブルな価格で提供されるもので、これに、女子学生が楽しげに談笑してたりすると最高である。
しかし、現実は理想とは程遠かった。まず、そもそもゆっくりと昼食を食べに行っている時間がない。昼休みは、午後の授業で提出しなければならないレポートの最終確認とプリントアウトを行う必要がある(これは前もってレポートの準備をしてこない私がわるい(^^ゞ)。また、早稲田MOTの授業が行われている西早稲田19号館は、キャンパスのメインの学食から遠い(徒歩6分程度)。しかも、メインの学食はいつも混み混みである(早稲田、学生多すぎ)。
そこで、生協でパンを買ってきたり、ラーメンやカレー程度しかやってない最寄りの学食(美味いとは言いがたい)で「ちゃちゃっと」済ませることが多い。
ところで、早稲田ロースクールがこの四月から開校するが、ロースクールの仮校舎はMOTと同じく西早稲田19号館である。入学される方は食事事情にご注意下さい。
早稲田MOTには、一年制コースと二年制コースとが存在する。MOT学生のうち、二割弱が一年制コース、残りが二年制コースといったところか(ちなみに、私は二年制コースである)。
一年制の場合には、一年間で単位の取得と修士論文を作成する必要があるため、その分キツイ。但し、1年制でも金曜と土曜の授業を(一つも落とすことなく)フルで取れば、なんとか単位は足りるようだ。
ただ、「落とせない」のは精神衛生上よろしくないようで、みんな月~木の授業や春学期や冬学期の集中授業を取り、安全策をとっている。
また、一年制コースの学生は、会社を辞めたり、休職したり、あるいは企業派遣であったり、勉強に専念しやすい環境にある人が多いイメージがある。
とはいっても、中には「会社には内緒でMOTに通っており」かつ「一年制コース」のツワモノ学生もいる。土曜はともかく、毎週金曜に会社から居なくなるのをどう説明しているのか不思議に思ったが、いまのところクビになった様子もなく、なんとかなっているみたいだ。
新年になりました。事情により挨拶は控えますが、本年もよろしく
お願いいたします。
自分が通っている大学院は2学期制(2セメスタと言った方が今は
通りがいいのかな?)で、授業は(補講を除いて)去年のうちに終
わってしまいました。おかげで、年末・年始は膨大なレポートの影
にうなされそうです。大体が1月中の提出期限ですが、前日からや
り始めて一夜漬けで終わるような並大抵な課題ではないので、今年
も何回か学校に行ってレポートの仕上げをしなくてはいけません。
聞くところによると、片岡さんの通っている大学院はは4学期制で、
まだまだ今年になっても授業が続くようです。これは考え方の差だ
と思うので、どっちが良いと言うことではないでしょう。
後期試験=レポート作成はまだまだ終わっていませんが、なんだか
んだ言ってもMOTコース1年目が終了しました。この1年間を振
り返ってみると、月並みな言葉ですが、教授陣も学生も全く手探り
の状態から始まり、そして「あるべき姿」を模索しているうちに1
年が過ぎていった気がします。
そもそも、MOTコースが昨年立ち上がることを新聞記事で知って
はいたものの、自分が入学しようと決意したのが昨年の1月で、そ
れから会社の上司に事情説明をした上で大した準備もせずに2月の
大学院受験に臨み、何とか合格通知をもらってほっとしたのもつか
の間、4月に部署異動があり、その慌ただしさをかいくぐるように
大学院生活が始まりました。こんな状態ですから、ほとんど思いこ
みというかやる気だけで1年間を駆け抜けていった気がします。走
りながら考えるというよりも、考える前に走っているという、戦略
論の立場からすればとうてい褒められないやり方でした。
一方、教授陣が提供する講義内容も、よく言えばフレキシブル、
ちょっと悪い言い方をすれば試行錯誤状態でした。これは、MOT
という学問が非常に新しい(特に日本において)ことを考えれば致
し方ないことだと思います。例えば理工学の学部・学科であればあ
る程度のカリキュラムは決まってきますから、授業内容なども一定
のベースにその学校の特色を付加する形で決定できるわけですが、
MOTは、一応米国にお手本があるものの、米国のMOTも各大学
毎にかなり独自のカリキュラムを有しているようなので、単純に米
国のカリキュラムを参考にする、というわけにもゆかなかったよう
です。現在行われている、また今年度から開始する予定のMOTコ
ースのカリキュラムを公表されている範囲で見ていても、各大学毎
に非常に特色があり、単純な比較ができないくらいバラエティに富
んでいます。
現在、経済産業省の肝いりでMOTコースのモデル授業内容を作る
試みが進んでいますので、あと数年すると日本におけるMOTコー
スの授業内容もだいぶ洗練されたものに進化すると思います。最近
はこの状況を評して、私は「我々は人体実験ですから」と思うよう
にしています。
(追補)
経済産業省による「技術経営教育プログラム」については、こちらの
サイトをご覧ください。
プログラム参加メンバー用のページのようですので、あまり内容が
公開されていないのが難点ですが…。
こんなことを言いながらも、教授陣のやる気は我々のやる気を時に
上回るくらいにすごいものですし、学生側もそれぞれ自分なりの問
題意識を持って通ってきていますから、ただならぬ緊張感が漂う授
業が幾つもありました。こうやって、日本なりの新しいMOTコー
スが生まれていくのだという、その現場を当事者として間近で見る
ことができました。
さて、ちょっと早いですが、今年はどんな授業になり、また学生生
活になるんでしょうか。今から楽しみです。