2004年05月15日

新学期

Posted by 片岡 忠彦

(「新学期」というタイトルは時期的に不適当か?)

新学期になり、早稲田MOTにも新入生が入学してきたわけですが、もともと社会人向けの大学院ですから「新入生」といっても年齢も様々で、通常の新入生にありがちな「初々しさ感」とは無縁です。
とはいっても、教室内の見慣れない顔ぶれに、MOTに入学してからもう一年以上経ったことを実感してしまいます。

思い起こせば一昨年の冬、「知財+○○」の○○を学ぼうとMOTプログラムへの入学を決意したわけですが、それから一年以上経って、実際、○○部分に対応する知識として、経営戦略、財務、会計、マーケティング、統計、製品開発、技術経営、アントレプレヌールなどなど、入学前には縁もゆかりもなかった各分野の知識を得ました。
限られたリソースの中で、必ずしも十分な知識を得たわけではありませんが(そして、誇れるような成績からは程遠いですが(^^ゞ)、それでも得たものは大きかったと感じています。

しかしながら、一年が経ってつくづく思うのは、○○の知識を得るのは比較的簡単だけど、「知財+○○」の「+」の部分を突き詰めるのはホントに難しいということです。
例えば、「知財+経営」の「+」ってなに?そもそも経営に対する知財の寄与ってなに?経営戦略と知財戦略との関係は?寄与が高いのはどんな場合?低いのは?企業の内部の環境も、外部の環境もまちまちなので、なかなかその振る舞いに規則性を見出すことができません。
また「経営戦略、研究開発戦略、知財戦略、これら三位一体の戦略が…」なんてお題目をちょっと以前からよく聞きますが、「じゃあ、具体的には?」と問われたときに、それに明確に答えることができるでしょうか?
うーん、ムズカシイ。。。

ただ、きっと世の優れた知財マンは意識的にしろ、無意識的にしろ、この「+」の部分を理解しているのだろうと思います。彼らの思考過程を辿って、知財と○○とを繋ぐ複雑に絡み合った幾本もの糸を少しでも解きほぐすことができれば、わざわざMOTプログラムに通ってまで○○の知識を得た甲斐があったというものです。

でも、「+」の部分は学校で誰かが教えてくれる性質のものじゃなくて、仕事を通じてはじめて体得できるものなんだろうなと思います。

さて、どうなることやら。

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