新年になりました。事情により挨拶は控えますが、本年もよろしく
お願いいたします。
自分が通っている大学院は2学期制(2セメスタと言った方が今は
通りがいいのかな?)で、授業は(補講を除いて)去年のうちに終
わってしまいました。おかげで、年末・年始は膨大なレポートの影
にうなされそうです。大体が1月中の提出期限ですが、前日からや
り始めて一夜漬けで終わるような並大抵な課題ではないので、今年
も何回か学校に行ってレポートの仕上げをしなくてはいけません。
聞くところによると、片岡さんの通っている大学院はは4学期制で、
まだまだ今年になっても授業が続くようです。これは考え方の差だ
と思うので、どっちが良いと言うことではないでしょう。
後期試験=レポート作成はまだまだ終わっていませんが、なんだか
んだ言ってもMOTコース1年目が終了しました。この1年間を振
り返ってみると、月並みな言葉ですが、教授陣も学生も全く手探り
の状態から始まり、そして「あるべき姿」を模索しているうちに1
年が過ぎていった気がします。
そもそも、MOTコースが昨年立ち上がることを新聞記事で知って
はいたものの、自分が入学しようと決意したのが昨年の1月で、そ
れから会社の上司に事情説明をした上で大した準備もせずに2月の
大学院受験に臨み、何とか合格通知をもらってほっとしたのもつか
の間、4月に部署異動があり、その慌ただしさをかいくぐるように
大学院生活が始まりました。こんな状態ですから、ほとんど思いこ
みというかやる気だけで1年間を駆け抜けていった気がします。走
りながら考えるというよりも、考える前に走っているという、戦略
論の立場からすればとうてい褒められないやり方でした。
一方、教授陣が提供する講義内容も、よく言えばフレキシブル、
ちょっと悪い言い方をすれば試行錯誤状態でした。これは、MOT
という学問が非常に新しい(特に日本において)ことを考えれば致
し方ないことだと思います。例えば理工学の学部・学科であればあ
る程度のカリキュラムは決まってきますから、授業内容なども一定
のベースにその学校の特色を付加する形で決定できるわけですが、
MOTは、一応米国にお手本があるものの、米国のMOTも各大学
毎にかなり独自のカリキュラムを有しているようなので、単純に米
国のカリキュラムを参考にする、というわけにもゆかなかったよう
です。現在行われている、また今年度から開始する予定のMOTコ
ースのカリキュラムを公表されている範囲で見ていても、各大学毎
に非常に特色があり、単純な比較ができないくらいバラエティに富
んでいます。
現在、経済産業省の肝いりでMOTコースのモデル授業内容を作る
試みが進んでいますので、あと数年すると日本におけるMOTコー
スの授業内容もだいぶ洗練されたものに進化すると思います。最近
はこの状況を評して、私は「我々は人体実験ですから」と思うよう
にしています。
(追補)
経済産業省による「技術経営教育プログラム」については、こちらの
サイトをご覧ください。
プログラム参加メンバー用のページのようですので、あまり内容が
公開されていないのが難点ですが…。
こんなことを言いながらも、教授陣のやる気は我々のやる気を時に
上回るくらいにすごいものですし、学生側もそれぞれ自分なりの問
題意識を持って通ってきていますから、ただならぬ緊張感が漂う授
業が幾つもありました。こうやって、日本なりの新しいMOTコー
スが生まれていくのだという、その現場を当事者として間近で見る
ことができました。
さて、ちょっと早いですが、今年はどんな授業になり、また学生生
活になるんでしょうか。今から楽しみです。