学生証を見ると、私のちょっと眠たげな顔写真の横には「大学院アジア太平洋研究科経営P」と印字されている。このことからも確かに私は「学生さん」のようだが、その実感は殆どない。それは、自分のかつての学生生活と今の生活とか随分かけ離れているからに違いない。
「働いている」という点が異なるのは当然であるが、学校に行っている間の雰囲気もあの頃の学生生活とは全然違う。
まず、年齢層が違う。手元に資料がないので正確ではないが、MOTプログラムの学生の平均年齢は30台後半から40台前半だと思う。ちなみに、同じ早稲田大学のMBAプログラムの学生の平均年齢は20台後半だと記憶している。
次に、忙しさが違う。MOTプログラムの学生の殆どが仕事をしながら、金曜と土曜だけ学校に通っている(制度的には月曜から木曜の授業も受講できる)。必然的に、授業は朝から夕方までびっちり詰まっている。これで困るのは授業でグループワークの宿題が出される場合である。みんなで集まれる時間がないのだ。しかも、金曜日の授業後にゼミがある学生と、土曜日の授業後にゼミがある学生が混在し、放課後さえスケジュール調整が難しい。したがって、各授業の合間の休み時間、昼休み、朝の授業前、ML上でグループワークに取り組んでいる。
入学早々の自己紹介の際、「学生になったので女子大生と合コンがしたい」と(もちろん、冗談で)言ったMOT学生がいたが、残念ながらそのような雰囲気はまったくない。
少し前に早稲田大学の学生が主催する「スーパーフリー」なる合コンサークルが不名誉なことで有名になったが、早稲田MOTの学生は一般に「スーパービジー」でサークル活動どころではない。
したがって、自分が学生であることを意識するのは、パソコンショップでマイクロソフトのオフィス製品をアカデミックディスカウントで購入する時くらいのものである。